政治 雑記

SUGIZOのツイートプチ炎上から改めて核禁止条約を考えてみる

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SUGIZOさんのツイッターアカウントにて、8/6、8/9に「広島の日」「長崎の日」として、被爆し犠牲となった命に対しての鎮魂の祈りがツイートされました。

この件自体はSUGIZOらしいなーと思えるものですが、8/6のツイートで「核兵器禁止条約」に触れたこともあり、その内容についての賛否がリプライ欄に並び、ちょっとしたプチ炎上状態になっているようです。

問題となったツイート

平和を心から祈る気持ちが伝わってくるようなツイートです。

SUGIZOさんは、被災地へ赴きボランティア活動をしたり、自らのコンサートで水素を活用して水素燃料をPRするような人ですので、このツイートもおそらくSUGIZOさんの心情を率直に表現しているツイートだと思います。

が、リプライ欄では賛否が巻き起こっていました。

賛成意見は、純粋にSUGIZOさんの意見に賛同し、平和を祈るツイートが多いです。
否定意見の内容はというと、日本が核禁止条約に反対していることへの疑問に対して、一言いわせろ的なものが多いようですね。

自分と異なる意見こそ尊重しよう

様々な人が様々な思いをぶつけるため、非常に勉強になる意見もありますが、「うーん」と首をかしげてしまうものもありました。それは、「信じられない」「何を考えているかわからない」という意見(というか言い回し)です。SUGIZOさんのツイートもまさにこれですね(笑)

これらの言葉は、物事を一面でしかとらえない人によく見られる傾向があります。自分の考えこそが正しいもので、それに反する意見は間違っているという意識が強いのかもしれません。この傾向が強くなると、「自分に反対する者は頭がおかしい」という考えを持つようになるようで、政治を扱うバラエティー番組などでケンカしている出演者はこの状態に陥っているといえます。

まず、自分と違う考えを持つ者はおかしい!という考え方は捨ててもらいたいものです。

件のツイートのリプライ欄を読んで私が思ったのは、対立する意見のどちらもが平和を願っているということです。それなのにそのための方法が自分と違うというだけで、相手を勝手な決めつけで貶めたり罵しり始める人もいて、そういう意見を目にすると非常に残念な気持ちになります。これは、SUGIZOに意見する人に顕著ですが、賛同する人にも見られました。

自分と異なる意見であっても、その人が同じ理想について真剣に考えて導いた結論です。何故自分と違うのかという点について、排他的にならずもう一歩真摯に受け止めてみてはどうでしょうか。いろいろな意見に素直に触れることで、自分の考えもより深いものになると思います。

日本は核兵器の廃絶を目指した選択をしている

SUGIZOさんをはじめ、核禁止条約に署名して欲しいと考える人達の気持ちは理解できますし、否定する気は全くありません。しかしながら、核禁止条約に署名しない日本の選択が間違っているとも思えません。

私は、日本は核兵器の廃絶を目指すため核禁止条約に署名しないのだと考えています。

というのも、現外務大臣である河野太郎議員の以下のブログを見ているからなのですが。このブログ記事では、日本政府は唯一の被爆国なのになぜ核禁止条約に署名しないのかを簡潔に説明してくれています。賛同するしないは別にしても、少なくとも「なぜ」が解消されると思いますので、疑問に思った人は一読することをおすすめします。

ポイントは以下でしょうか。

ポイント

  • 人道上の理想として核は廃絶しなければならない
  • とはいえ、安全保障をおろそかにしてはならない
  • 核禁止条約は結論を急ぎすぎたもの

最終的に全ての国が核廃絶を約束することを目標とした取り組みに反対する人はまずいないでしょう。しかしながら、核禁止条約は核廃絶の「方法」として起案されているように思えます。

核保有国の安全保障を無視して一方的に核の保有を違法化したとしても、核保有国の賛同が得られるはずがありません。現在の核禁止条約の内容では、核保有国と非保有国とで対立構造ができてしまうだけです。本当に核の廃絶を目指すには核保有国をまきこんでの議論が絶対不可欠であるのに、敵対関係になってしまうと感情のぶつかり合いとなり、最悪議論が断絶してしまうことも考えられます。

現実的な方法を考えると、やはり核保有国が無理なく参加できる枠組みの中で、根気強く核廃絶を働きかけていかなければならないのではないでしょうか。急がば回れ。成果を急いだ結果、核廃絶が遠のいてしまったとなれば本末転倒です。

「それでうまくいくのか?」

もちろん、そんな保障はありません。しかし、核禁止条約に核保有国が1国も参加していない現実も真摯に受け止めるべきです。

「悠長なことを言ってられない!」

こういう意見もわかります。

「被爆国の日本は核反対の立場を取るべきだ!」

最もです。ただし、核廃絶を望むことと核禁止条約に参加することはイコールではありません。
核廃絶を望むからこそ、「現在起案されている」核禁止条約には参加できないという意見も成立するのです。

スピードは遅くなっても、核のない世の中という理想に近づけるには現実も見なければいけません。

8月9日のツイート

8月9日にも、長崎の日としてツイートしています。

さすがSUGIZO。大人の対応です。
やはりというか、こちらのツイートは荒れていないようですね。

みんなが現実論のみを唱えるようになってしまっては、核廃絶の議論も進行も停滞してしまうことでしょう。理想を唱える人はやはり必要です。

SUGIZOはこれで良いよ!

最後に

私の考えはどちらかといえばSUGIZOさんの意見と対立する立場となるかもしれませんが、「核廃絶を願う」「平和を願う」という点では共通していると思います。

有名人が問題提起をして議論が起こることは個人的には喜ばしいことだと思っていますので、今回のSUGIZOさんのツイートには感謝の気持ちがあったりします。よく「影響力のある人物は政治的な発言を慎むべきだ」という意見を見ますが私はこれには反対で、影響力のある有名人こそどんどん発言をすることで国民的議論が深まるのではないでしょうか。

内容が政治に関わることだけに攻撃的なツイートも多数見られたのが残念ではありますが。みなさん自分と異なる意見に対してもっとタフになりましょう(笑)

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